太平洋セメント株式会社

太平洋セメント株式会社

IRグループリーダー今野様、星加様

https://www.taiheiyo-cement.co.jp/

国内最大手のセメントメーカー。東京証券取引所プライム市場/福岡証券取引所に上場。

国内最大手のセメントメーカーとして知られる太平洋セメント株式会社(東京証券取引所プライム市場/福岡証券取引所上場)。同社のIR部門は、株式会社Mutualが提供する「IRデータベース」を、他の利用企業と比べても深くカスタマイズして活用しています。

バラバラだった投資家情報の一元化を出発点に、AIを掛け合わせた記録・分析の効率化、さらには社内への情報展開まで。IRをご担当されている今野様と星加様に、導入の背景と、実際の使い込み方、そしてこれからへの期待を伺いました。

導入の背景|バラバラだった投資家情報を、横断的に扱えなかった

─ まず、IRデータベースを導入しようと思われたきっかけから教えてください。

星加:探していた背景としては、面談情報や面談履歴、質疑応答、投資家情報が、すべてバラバラのファイルに散在していたんです。過去にこの投資家とどういう面談をしたのか、といったことを探すときや、分析するときに、すごく手間取っていました。

Mutual様を知ったきっかけ自体は、弊社宛ての共有メールにご案内をいただいたところからですね。ページを見せていただき、ご説明いただいて。ほかのサービスもいくつか見てはいましたが、カテゴリーの付与やプロパティの付与といったカスタマイズ性、それからリレーション(データベース同士のひも付け)のマスターの作りなど、当社にいちばん活用しやすいのがこれだったかな、というところでした。

─ それまでは、どのように管理されていたのでしょうか。

星加:面談・議事録管理はExcelで実施していましたが、議事録については四半期ごとにファイルが分かれていたり、シートが分かれていたりして。横断的に分析したり、検索したりするのが難しかったんです。

検索性とAI活用|記録・分類業務の効率化

─ 実際に導入されて、特に役立っているのはどのあたりですか。

星加:AI登場の前と後で分けてお話しすると、まずAI登場前は、導入課題だった検索性の向上ですね。この投資家の過去の面談履歴を見て、そこから質疑に直接飛べる。データベース内のリレーションが、非常に便利でした。集計や分析のビューも、あらかじめ設定できるので、それが自動で更新される。そこで、だいぶ業務効率化が進みました。

─ AIが入ってからは、どう変わりましたか。

星加:一つは、質疑応答の記録業務の効率化です。大カテゴリー・中カテゴリー・小カテゴリーと、それぞれ全部にカテゴリー付けをしていたところが、AIでほぼ自動になりました。最後に少し確認する程度で行えるようになって、業務効率がだいぶ上がりましたね。カテゴリーを付与するだけでも、以前は相当な時間がかかっていたので、そこが楽になったのは大きいです。現在は質疑を手入力していますが、今後はIRデータベースのAI議事録の機能も徐々に活用し、さらなる効率化を進めたいと思っています。

面談ログの作成にも、AIを活用しています。Outlookの予定表をスクリーンショットで撮って、それをAIに入れて面談ログの作成を自動化しています。面談ログの作成用のプロンプトに、その流れの指示を入れているんですけど、最近はほぼ修正しないでできていますね。投資家名などのひも付け(リレーション)もAIにやってもらっています。表記のゆれがあっても、最近の面談記録を参照しつつ出してくれるので、かなり精度が高くなっており業務がラクになっていますね。

分析・レポーティング|「同時編集」で経営層への報告も効率化

─ 分析やレポーティングの面では、どんな変化がありましたか。

今野:主に、経営層への重要なコメントや、質疑のフィードバックをしています。Excelの時代は、複数のシートを見に行って抽出して…と、行ったり来たりしていて、けっこう手間がかかっていました。加えて、Excelファイル上で確認を取り合うので、同時編集ができないのも不便でした。

IRデータベース上でコメントを付けられたり、同時編集ができるようになったりして、そこが大きく改善しました。以前はコメントや分析のまとめだけで手一杯だったんですけど、比較的業務に余裕ができたので、もう少し深い質疑の分析まで行えるようにしていきたいと思っています。時間の面でも、正確性の面でも、AIで支えられるようにしていきたいですね。

カスタマイズと社内展開|「IR部門が使う汎用的なサイト」へ

─ データベースやAIのコンテキスト、レポーティングは、かなり作り込まれているそうですね。

星加:独自のカスタマイズだと、最近は、分析の結果や資料を一覧で置くようにしています。AIで一回一回ゼロから作るのではなく、過去のものを貯めていって、新しく作るときにそれを参照すれば、精度の高いものを作成できるなと。

投資家との面談情報に加えて、IRで使える情報ももう少しインプットできれば、質疑記録に限らず、IR部門が使うサイトとして汎用的になっていくのかなと思っています。たとえば、工場の生産能力や場所、業界の情報なども入れておいて、新しく来た人がデータベースを見れば、ある程度のことが分かる。そういう状態が理想だと思っています。AIプロンプトのページも作っていて、あらかじめ用意しておいたプロンプトをAIにメンションすると、エージェントのような使い方ができるのも気に入っています。

今野:使い方のほうが、どんどん進んでいく感じなんですよね。星加さんがどんどん作り込んでいってくれるので(笑)。Notionはうちの全社標準では使っていなくて、特別に事業所グループだけで使っている感じです。ただ使ってみると自由度が高いので、『こういう情報を共有できるようにした方がいいよね』と言えば、星加さんがちゃちゃっと作ってくれる。使い勝手があって自由度が高いので、非常にやりやすいです。

─ 社内での活用範囲や、権限の設計についてはいかがですか。

今野:IR業務は4人でやっています。担当役員から、「投資家との面談情報をダイレクトに見たい」という話もあり、閲覧権だけの付与ができないか、といった相談もさせてもらいました。一定以上の役職者が閲覧できるようにすることで、「自分たちの事業部が、外部からどう見られているのか」も感じてもらえる。そこにも大きな価値があると思っています。

どんな企業におすすめか

─ 最後に、IRデータベースはどんな企業に向いていると思いますか。

星加:一つは、私たちがそうだったんですけど、質疑応答を細かく記録している企業ですね。IRデータベースを入れると、それがうまく使える資産になっていくと思います。そこにAIも入ってきたので、データとAIを掛け合わせると、かなり便利です。

ただ入れるだけ、というよりは、分析したり、細かく見て解析したいという企業に向いていると思います。面談の件数が少ない企業よりは、年間の面談数がある程度ある企業のほうが、効果は大きいのではないでしょうか。


バラバラだった投資家情報の一元化を出発点に、AIを掛け合わせた記録・分析の効率化、面談ログやレポーティングの省力化、そして社内への情報展開まで。太平洋セメントは、MutualのIRデータベースを自社仕様に作り込みながら、IR運営の基盤として活用し、さらなる活用の余地を探り続けています。蓄積した質疑応答や投資家情報をAIで活かしていきたい企業にとって、参考になる事例といえそうです。

IRデータベースについての貴重なお話、ありがとうございました!

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